1800-0005.jpg img_1484.jpg img_1457.jpg img_1489.jpg 1800-0004.jpg 1800-0006.jpg 1800-0001.jpg 1800-0008.jpg 1800-0006.jpg 1800-0009.jpg 1800-0003.jpg 1800-0007.jpg 1800-0010.jpg 1800-0011.jpg 1800-0002.jpg 1800-0000.jpg

衆議院議員 堤かなめによる情報サイト

HOME | 堤かなめのこれまでの質問 | 2022年3月11日内閣委員会

堤かなめのこれまでの質問

第208回国会 衆議院 内閣委員会 第8号 令和4年3月11日

LinkIcon動画はこちらです

○堤委員
 立憲民主党、福岡五区選出の堤かなめです。
 初めに、教員の長時間労働の現状についてお聞きします。
 日本の教員の勤務時間は先進国の中で最も長く、時間外労働、月八十時間以上の過労死ラインを超えて働く教員が、小学校で約三割、中学校で約六割に上っています。まさに深刻な状況です。
 ある公立小学校の先生からお聞きした平均的一日を御紹介します。
 多くの先生たちは、朝七時半頃出勤し、長い一日が始まります。パソコンで送られてきた連絡事項をチェックした後、配付物の確認や授業の準備を行い、水筒を持って教室に入ります。それから、コロナ感染症対策のため、子供たち全員の体温カードの記入を確認します。
 今はオンライン授業が一気に導入されています。ICTの機器を使いこなすことは大変ですが、そのための研修時間は不十分です。しかし、子供たちにタブレットの操作を教え、オンライン授業を行わねばなりません。
 昼休みも教室にいます。支援が必要な子供は増える一方です。
 子供たちの下校後も、研修、授業準備、提出書類作成、行事の打合せ、成績処理、保護者対応など、仕事が次々と待っていて、学校を出るのは午後八時近くになります。
 こんな日々を送りながらも質の高い教育を保ってこられた先生方の御努力に、頭が下がります。
 しかし、近年では、長時間労働が嫌われ、教員を志望する人が減少し、教員不足が全国に広がっています。その結果、更に教員の負担が増えるという悪循環、負のスパイラルに陥っています。先生たちは、もう限界です。
 こども家庭庁設置法案では、子供政策の基本理念に、全ての子供の健やかな成長と福祉の向上として、良質かつ適切な教育を提供することも含まれています。また、こども家庭庁は、各省庁より一段高い立場から、子供政策について一元的に企画、政策立案、総合調整を行う司令塔の役割を担うとのことです。
 そこで、このような教員の長時間労働の現状について、また子供への影響について、どのように認識されているのか、野田大臣にお聞きします。

○野田国務大臣
 文部科学省による平成二十八年度の調査によれば、小学校、中学校とも勤務時間が増加しており、時間外勤務については、小学校で月約五十九時間、中学校で月約八十一時間程度であることなど、厳しい勤務実態があると承知しています。
 また、同じく文部科学省が令和三年度に行った調査によると、時間外勤務は平成三十年度以降おおむね改善傾向にあり、学校における働き方改革の成果が着実に出つつあるものの、依然として長時間勤務の教職員も多い状況である、これも承知しております。
 このため、全ての子供が健やかに成長できるよう、学校、家庭、地域等の社会のあらゆる分野の構成員が各々の役割を果たすとともに、相互に協力しながら一体的に取り組むことが重要であり、学校の働き方改革を進めつつ、本来求められる役割に対してその力を存分に発揮できるようにしていく必要がある、そういうふうに考えています。

○堤委員
 野田大臣や私が小学生、中学生の頃は、先生方にはもっともっとゆとりがありました。ところが、この四、五十年で、先生方の業務は、スクラップ・アンド・ビルドではなく、ビルド・アンド・ビルド、増える一方です。
 長時間労働は、教員の心身の健康だけでなく、子供たちの生活と学びに影響が及ぶことは自明の理です。早期の解決に向け、次の質問に移ります。
 実効性のある働き方改革について、二点、提案させていただきます。
 一点目に、二十人学級の実現についてです。資料一、こちらを御覧ください。
 日本の小学校に当たる初等教育の平均学級規模は三十人弱で、OECD加盟国のうち、チリに次いで二番目に学級規模が大きい、つまり、一クラスの子供の数が多いということが分かります。
 一方、EU加盟二十二か国平均の学級規模は二十人、二十人学級になっています。欧米先進国の多くでは、二〇〇〇年代から学級規模の削減に取り組んできました。
 お隣の韓国でも、二〇一三年に就任した朴槿恵大統領が、一クラスの子供の数をOECD上位国レベルに改善することを公約に掲げました。その結果、日本より多かった一クラスの子供の数が徐々に減らされ、日本は完全に追い抜かれました。
 この二十年、学級規模の縮小という子供政策の柱とも言える政策においても、日本は先進国の中で後れを取ってきました。世界の潮流から乗り遅れてきました。全くもって政府の責任は大きい。二十年もの間、政府は何をやってきたのでしょう。残念でなりません。
 この遅れを挽回するため、早期に二十人学級を実現していただきたい。そのことで教員の長時間労働も一定解消されると思いますが、いかがでしょうか。
    〔委員長退席、平委員長代理着席〕

○茂里政府参考人
 お答えいたします。
 昨年三月に義務標準法を改正いたしまして、約四十年ぶりに公立小学校の学級編制の標準を四十人から三十五人に引き下げることにより、一人一人のニーズにきめ細やかに対応できる指導体制を整備することといたしたところでございます。
 これを計画的に実施する中で、学力の育成やその他の教育活動に与える影響などについて検証等を行った上で、その結果も踏まえ、学校の望ましい指導体制の在り方について検討を進めてまいりたいと思います。
 なお、令和四年度予算案におきましては、専門性の高い教科指導を行い教育の質の向上を図るとともに、教員の持ちこま数軽減など学校における先生の働き方改革を進めるため、小学校高学年における教科担任制の推進等に必要な加配定数を盛り込んでいるところでございます。
 文部科学省といたしましては、今後とも、学校における質の向上、また働き方の改革に資するよう、教職員定数の改善に取り組んでまいりたいと思います。

○堤委員
 様々御努力されてきたということですが、教育現場の先生方は、全く、働き方改革、実感ないとおっしゃっています。
 実は、教員が多忙であるのは、学級規模の問題だけではありません。欧米先進国では、二十人学級がスタンダードであるだけでなく、教員は基本的に授業だけで、生徒指導、進路指導、部活の指導などは専門のスタッフ、スクールソーシャルワーカーやカウンセラー、地域のクラブなどが担っています。
 学校現場は課題山積ですが、まずは二十人学級の実現が最優先であると私は考えます。
 二十人学級が普通になれば、障害のある子供たちも特別支援学校ではなく地域の学校を選択しやすくなり、近所の子供たち、保育園、幼稚園で一緒だった子供たちとともに学ぶことも可能になるのではないでしょうか。インクルーシブ教育のためにも二十人学級の実現が必要と考えます。野田大臣、いかがでしょうか。

○茂里政府参考人
 お答えいたします。
 これまで、るる文部科学省の中で、働き方改革を始め教育の質の向上、そういう観点から、どのような指導体制が望ましいかについて検討を進め、そして、昨年度から小学校における三十五人学級の実現にこぎ着けたところでございます。まずはこの三十五人学級の結果を検証し、その上で必要な措置を講じたいと思います。

○堤委員
 資料にもありますように、平均二十人ですから、十数人の学級もたくさんあるということです、ヨーロッパの先進国では。そういう中で、本当にもっと、二十人学級を目指していただきたい。全然不十分だということを指摘させていただきます。
 二点目に、教員業務支援員、いわゆるスクールサポートスタッフの拡充についてです。
 新型コロナウイルス感染症の拡大により、先生方はその対応にも追われています。そんな中、スクールサポートスタッフが配置された学校では大変助かっていると聞いています。全国には小学校がおよそ一万九千校、中学校が九千校、計二万八千校あるとのことです。一校に最低一人、サポートスタッフを配置すべきと思いますが、いかがでしょうか。

○茂里政府参考人
 お答えいたします。
 教員業務支援員は、教師の負担軽減を図り、学校における働き方改革を推進するために配置するものであり、教師がより児童生徒の指導や教材研究等に注力できる体制の整備に大きな役割を果たしているところでございます。
 こうした中、教員業務支援員につきましては、令和三年八月に学校教育法施行規則に明確に位置づけ、一層の配置を促進するとともに、令和四年度予算案においても必要な経費を盛り込んでいるところでございます。
 文部科学省といたしましては、教員業務支援員が教師の負担軽減を図る上で必要不可欠な存在である、そういう認識の下、引き続きその配置の充実に取り組んでまいりたいと思います。
    〔平委員長代理退席、委員長着席〕

○堤委員
 一校に最低一人、どうぞよろしくお願いいたします。
 最後に、子供政策予算の倍増についてです。
 三度目の質問です。三度目の正直で、野田大臣に正直にお答えいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 総理のお考えは、子供予算倍増ですか、それとも人への投資倍増ですか、端的にお答えください。

○野田国務大臣
 常に正直に答えております。
 しっかり答えさせていただきますと、総理がおっしゃった倍増は、所信表明において、人への投資に対して倍増すると。
 子供への投資については、総裁選の中でのこども家庭庁議論の中で、四人の候補者にそれぞれ、子供の予算はGDP比で諸外国並みにするべきかどうかというような設問の中で、私も含めて三人、河野さんと私とたしか岸田総理が、するべきであろうというふうにお答えしたことであります。

○堤委員
 私が言っているのは、総裁選のときではなくて、三月四日、先週のことですよ。この委員会で私の質問に対して野田大臣は、総理が度々おっしゃっておられるのは、人への投資を倍増させることと答弁されたんですよね。
 だけれども、一月二十五日の衆議院予算委員会において、岸田総理は、こども家庭庁を中心に、是非、将来的に子供の予算倍増を目指していきたい、子供の予算倍増を目指していきたいと答えておられるんですね。
 にもかかわらず、またそれを聞いたんですけれども、その質問に対して、人への投資だ、その中で子供の予算の部分をどれだけ高めていくかだ、そういうことをおっしゃいました。この野田大臣の答弁は、訂正すべきではないですか。議事録の修正をしなくてもよいのでしょうか。

○野田国務大臣
 人への投資の中で、当然、子供は人ですから、倍増の中の要素に入っているわけで。それで、問題は、倍増という言葉ありきではなくて、子供にとって何が最善かというリストを積み上げていく中で、適時適切、国民の税金を子供のために使えるように今作業中だということで、そういう御理解をいただければありがたいと思います。

○堤委員
 人への投資を倍増するのか、子供予算を倍増するのかという問題は全然違います。ですから、是非、三月四日の議事録を訂正していただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。もう一度申し上げますが、岸田首相は子供の予算倍増とおっしゃっていますので、是非よろしくお願いします。
 さきに述べた二十人学級の実現など、先進国の中で遅れている教育環境の改善には多額の予算が必要となります。子供政策に精通された野田大臣におかれましては、その必要性は既に御承知かと存じます。必要な政策にはしっかり、どんどん予算をつけると答弁されています。子供政策の司令塔として、文科省の予算をしっかりと増額していただき、二十人学級を早期に実現していただきますよう重ねてお願いし、質問を終わります。よろしくお願いいたします。