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堤かなめのこれまでの質問

「211回通常国会」(2023年1月23日~6月21日)
「212回臨時国会」(2023年10月20日~12月13日)

第211回国会 衆議院 地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別委員会 第15号 令和5年6月15日

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○堤委員 
皆様、おはようございます。立憲民主党の堤かなめです。
 二〇一三年、十年前になりますが、制定されました障害者差別解消法では、全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に向け、障害を理由とする差別の解消を推進するとしています。
 この理念に基づき、地域とのつながり、周りとのつながりを大切にするインクルーシブ教育を進める立場から、以下、質問いたします。
 初めに、特別支援学校の寄宿舎の諸課題についてです。
 現在、特別支援学校の寄宿舎で生活している子供たちの中には、自宅が遠いという理由による寄宿舎の利用、いわゆる遠隔地保障というだけではなく、寄宿舎で生活を整えて学校に通っている子供であったり、保護者が養育をする上で厳しい状態にあることから寄宿舎を選ぶ、教育的入舎も多いと聞いております。
 障害のある子供たちが、寄宿舎で歯磨きの習慣をつけたり、お小遣いの管理など、日常生活について学ぶことは大変重要かと思いますが、特別支援学校の寄宿舎が持つ役割についてどのように考えておられるのか、文科省の御見解をお願いいたします。

○安彦政府参考人 
お答え申し上げます。
 特別支援学校の寄宿舎につきましては、通学が困難な児童生徒のために設置されているところでございます。
 寄宿舎には寄宿舎指導員が置かれておりまして、例えば、日常的な食事、入浴、洗濯等に対する支援を通じた基本的な生活技術の習得、また掃除等を通じた周囲と協力する態度の涵養、また日用品費の管理を通じた金銭を適切に扱う能力の習得のための指導等が行われており、障害のある児童生徒の自立と社会参加を図るための役割も果たしていると考えております。
 具体的な寄宿舎の在り方につきましては、設置者において、児童生徒の障害の状態等、地域の特性などを踏まえて適切に判断すべきものですが、文部科学省としましては、寄宿舎に入居する子供を含め、障害のある子供の支援が適切に行われるよう努めてまいりたいと考えております。

○堤委員 
安彦審議官、ありがとうございます。
 働き方改革の観点から、寄宿舎指導員の宿直業務の勤務時間についても管理職は把握すべきと考えますが、いかがでしょうか。文科省のお考えをお聞きします。

○安彦政府参考人 
お答え申し上げます。
 校務をつかさどる校長とその上司に当たります教育委員会は、学校の管理運営一切において責任を有するものでございますが、業務分担の見直しや適正化、また必要な執務環境の整備に加えまして、寄宿舎指導員を含め、教職員の在校等時間の管理や把握につきましてはそれぞれ責任を有しております。
 このため、校長と教育委員会に対しまして、令和元年度改正給特法に基づく指針におきまして、ICTの活用やタイムカード等による客観的な勤務実態の把握や業務量の縮減を図ることなどの在校等時間の長時間化を防ぐための取組を行うこと等を求めております。
 文部科学省としましては、校長や教育委員会において、適正な勤務時間の把握や管理、教師の業務量の適切な管理等ができるよう、引き続き、改正給特法や指針の周知徹底とともに、学校における働き方改革について、好事例の周知、また取組状況のフォローアップ等に取り組んでまいりたいと考えております。

○堤委員 
寄宿舎指導員の方の勤務時間の管理についてはまだまだ進んでいないところが多いと聞いておりますので、しっかり取り組んでいただきたいと思います。
 次に、寄宿舎指導員の採用について、各自治体の責任において採用試験を実施しているということなんですが、正規の指導員の採用試験を長年実施していない自治体では非正規率が高いと聞いております。
 そこで、五月二十六日に、福岡県と石川県の教育委員会に非正規率について問い合わせましたところ、その日のうちに回答をいただきました。福岡県では、寄宿舎指導員百五十四人のうち、正規の指導員が七十二人、四七%、非正規の指導員が八十二人、五三%と、近年、採用試験を実施し、非正規率を下げるべく御努力されているということですが、それでも非正規の指導員が約半数を占めています。石川県では、寄宿舎指導員二十四人のうち、正規の指導員が九人、三七%、非正規の指導員が十五人、六三%、非正規の比率はおよそ六割と、福岡県よりも高いことが分かりました。
 寄宿舎で暮らす子供たちの中には、小学校の低学年の子供たちや就学前の幼い子供たちもいます。そういう子供たちが親元を離れて集団の中で暮らすわけですから、夜中に泣きじゃくったりうろうろしたりする子供がいるのも当然かと思います。指導員の方々は、夜中であっても、そういう子供たちをあやしたり添い寝をしたりしていらっしゃるということです。まさに親代わりのような役割を担っておられるわけです。指導員の方が定着しないでころころ替わるようでは、子供たちと安定した信頼関係を築くのは難しいかと思います。また、子供たち一人一人の様々な障害に応じ、声のかけ方、関わり方も、関わってきます。つまり、高度な専門性も必要になるということです。
 このような安定性、専門性という観点から、正規の寄宿舎指導員の比率を今よりももっと高めるべきと考えますが、いかがでしょうか。文科省の御見解を教えてください。
 その上で、指導員の採用は自治体の責任というのは承知しておりますが、文科省として、自治体に対し、計画的な採用が進むように、全国の自治体における寄宿舎指導員の非正規率や採用試験の実施状況を毎年度把握すべきと考えますが、いかがでしょうか。

○安彦政府参考人 
お答え申し上げます。
 文部科学省としましては、寄宿舎指導員が行っている日常生活上の生活指導等は、障害のある子供が毎日の生活を営みながら生活のリズムをつくるなど、生活の基盤を整え、自立や社会参加に向けた重要な役割を果たしていると考えております。
 この寄宿舎指導員を含め、正規、非正規といった学校の教職員の雇用形態につきましてでございますが、これは、任命権者であります都道府県教育委員会等の権限と責任に基づき適切に判断されているものと認識しております。また、お尋ねの実態調査につきまして、自治体の作業負担、様々な観点を踏まえ、慎重にすべきものと考えております。
 その上ででございますけれども、文部科学省としましては、令和三年九月に、寄宿舎指導員の適切な配置が可能となるよう努めるよう都道府県教育委員会に通知したところでございまして、引き続き、設置者において寄宿舎指導員の適切な配置がなされるよう促してまいりたいと考えております。

○堤委員 
やはり、先ほどほかの委員からもありましたように、先進国最低レベルの日本の教育費を増やさないと、こういった、教員や教職員の非正規率も高いという状況も変わらないのではないかと思いますので、その辺りも含めてよろしくお願いいたします。
 次に、特別支援教育就学奨励費の課題についてお聞きします。
 一点目に、小中学校における特別支援教育就学費の課題についてです。資料一、医療的ケア生徒の修学旅行付添い、全額自己負担ということ、この新聞記事を見ていただきたいと思います。
 特別支援学級は、学校ではなくて学級は、補助がないということなんですね。特別支援学級に在籍する障害のある小中学生には、修学旅行に行く際、本人の経費に対する補助はありますが、付添人の経費に対する補助はありません。そのため、この資料に載っています事例のように、往復の飛行機代、宿泊費など約三十万円が全額自己負担となってしまうということです。特別支援学校に通う子供たちには、学校に通う子供たちには補助があるのに地域の通常学級に通う子供たちには補助がないというのは制度としておかしい、矛盾があると思います。
 また、裏の資料の表を御覧ください。
 この表にありますように、文科省としても、障害のある子供たちが、現在、様々な学級、学校に在籍していることは御承知と思いますが、在籍する学級や学校によって負担の割合が違うということについて、文科省はどのようにお考えでしょうか。

○安彦政府参考人 
お答え申し上げます。
 今御指摘ありました特別支援教育就学奨励費につきましてでございますが、特別支援学校への就学奨励に関する法律に基づきまして、元々これは特別支援学校を対象として昭和二十九年度から支援を行ってきたものでございますけれども、それ以降、法律に規定される経費以外の経費につきましても、関係者の要望等も受けながら、予算補助というような形でその対象経費の拡充を図ってきたところでございます。
 具体的には、昭和四十六年度からは小中学校の特別支援学級を支援の対象に加えるとともに、平成二十五年度からは通常の学級に在籍する学校教育法施行令第二十二条の三に規定する障害の程度に該当する児童生徒についても対象に加えるなど、順次その支援対象の拡充に努めてきたところでございます。
 補助割合につきましては、御指摘のとおり、学校種で異なる現状ではありますけれども、この十年でその受給者が二十一万人から約三十二万人と約一・五倍になっているところでありまして、このような中、予算額というのは約一・六倍の約五十一億円の増を図ってきたところでございます。
 文部科学省におきましては、引き続き、そういった支援の充実に努めてまいりたいと考えております。

○堤委員 
是非、引き続き支援の充実、お願いいたします。
 文科省は、修学旅行の目的を、平素と異なる生活環境の中にあって、見聞を広げ、集団生活の決まりを守り、公衆道徳について望ましい体験を得ることなどとしています。経済的理由から子供たちが修学旅行を諦めることがないように、関係者の皆様の御尽力をお願いしておきます。
 二点目に、高等学校、高校における特別支援教育就学奨励費の課題についてです。
 街頭活動をしていますと、様々な御相談をいただきます。少し前ですが、中三の生徒さんから、高校に進学すると拡大教科書が一冊四万円くらいします、普通の教科書一冊は拡大教科書では三、四冊になるので、一教科十六万円、五教科で年間八十万円くらいかかる、高校三年間で二百万を超えてしまいますと。中学までは無償だったのにと悲しそうな表情をされていました。
 そこで、文科省に問い合わせましたところ、本年度より高等学校の生徒が使用する拡大教科書についても無償とすることが可能になったということをお聞きしまして、大きな前進だと喜んでおります。これによって、都道府県が拡大教科書の費用を負担すればその額の二分の一を国が負担することになる、つまり都道府県が決定権を持っているということなんですが、四十七都道府県の全てで同じ対応になり、全国のどこであれ、高校生が拡大教科書を無償で支給してもらえるようになった、その費用について心配しなくてよくなったということでよろしいのでしょうか。

○安彦政府参考人 
お答え申し上げます。
 教科書につきまして、義務教育段階では無償で提供されておりますけれども、高等学校段階は有償となっておりまして、拡大教科書についても同様に、高等学校段階では有償ということになっております。
 その拡大教科書の費用負担に対する特別支援教育就学奨励費による支援につきまして、これまで、特別支援学校の就学に関する法律に基づきまして、特別支援学校高等部の生徒を対象にその全額を支援してきたところでございます。
 御指摘ありましたように、令和五年度からは高等学校の生徒につきましても、同法の趣旨を踏まえまして、自治体の申請に基づきまして、予算補助として支援の対象とすることを可能としております。
 高等学校の生徒が使用する拡大教科書の支援の実施につきましては各自治体の判断ということにはなりますが、文部科学省におきまして、そういった支援の充実に努めてまいりたいと思いまして、そういった周知の方もしっかりと努めてまいりたいと思っております。

○堤委員 
ありがとうございます。
 福岡県に確認しましたところ、福岡県はちゃんと申請をしているということで安心しました。そして、県立学校への進学を希望する障害のある生徒さんについては、中三の冬に四者協議、つまり、中学の先生、志望する県立高校の先生、本人、保護者の四者による協議を行っており、その際に、入試の際の配慮ですとか、合格した後の支援の在り方について聞き取るということで、その場で拡大教科書の無償化についても確実に周知ができるということでした。
 しかし、残念ながら、高校では、拡大教科書以外の奨励費のうち、例えば、さきに述べた修学旅行費についてはいまだ改善が図られておりませんので、現在の特別支援教育就学奨励費の制度では、特別支援学校高等部に進学すれば引き続き就学奨励費を受けられますが、地域の高校に進学すると対象外になったりするということで、同じ生徒でありながら、通う学校によって対象になったり対象から外れたりする制度の矛盾が残されたままとなっております。
 一方、小中学校では、二〇一三年から、通常の学級、普通級に在籍する障害のある子供は全て就学奨励費の対象になっています。インクルーシブ教育を進める観点から、地域の高校に通う生徒も全て対象とするように是非お願いしたいと思いますが、文科省の御見解をお聞かせください。

○安彦政府参考人 
お答え申し上げます。
 先ほど説明をしました特別支援教育就学奨励費につきましてでございますが、法律で規定される経費以外の経費についても、関係者の要望等を受けまして、予算補助として順次その拡充を図ってきたところでございます。
 具体的には、二十五年度から通常の学級に在籍する児童生徒を支援の対象に加えたり、また令和二年度からオンラインの学習通信費を新設したり、また令和五年度からは、先ほど申し上げました拡大教科書、点字教科書の支援を対象に加えております。
 順次その拡充を図ってきたところでございますが、また、文部科学省につきましては、引き続き、現場のニーズにしっかり耳を傾けながら、支援の充実に努めてまいりたいと考えております。

○堤委員 
次に、子供たちへの有害な化学物質への暴露の防止についてお聞きしたいと思いますが、ちょっと時間がなくなってしまいました、二分しかないんですが、一点目に、学校や児童福祉施設など、公共施設におけるアスベスト除去についてです。
 そこでお聞きしますが、調査未実施の施設、処理を行っていない施設は現時点でそれぞれ何施設あるのか、また、五年前の調査時にはアスベストの存在を見落としてしまったという事例もあると聞いていますが、有資格者による科学的な調査を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。

○森政府参考人 
お答えいたします。
 文部科学省が所管いたします学校、社会教育施設、社会体育施設等につきましては、委員御指摘の平成三十年十月時点の調査が最新となっております。以降は、新型コロナウイルス感染症の影響を考慮いたしまして、その実施を見送ってきておりました。
 この調査の結果といたしましては、室内等に露出した保温材等の使用状況については、調査未完了の機関数は七百九十七機関、劣化、損傷等がある保温材等を保有する機関数は二百十機関となっております。また、石綿保有煙突用断熱材につきましては、調査未完了の機関数は千百二十一機関であり、劣化、損傷等がある煙突用断熱材を保有する機関は二百十二機関となっております。
 安全対策の完了予定につきましては、改めて調査を実施し、各設置者における対策の進捗状況などを考慮した上で検討したいと考えております。
 なお、調査における見落としを防ぐ点につきましては、これまでの調査においても、室内等に露出した保温材等については、石綿含有の有無にかかわらず全てを調査対象とするとともに、煙突用断熱材につきましては専門知識を有する者による調査を実施するよう、各設置者に対して要請しております。次回調査におきましても、例えば、煙突用断熱材につきまして、有資格者も含め、専門知識を有する者による調査を実施するよう要請する予定としております。
 子供たちを始めとする施設利用者の安全対策に万全を期して、速やかに対策を講じるよう指導してまいります。

○藤原政府参考人 
続きまして、社会福祉施設の状況についてお答え申し上げます。
 社会福祉施設等におけるアスベストの使用実態につきまして、御指摘いただきました平成三十年度の調査では、児童関係施設六万九千三百七十九施設のうち、分析調査未実施が六千五百六十六施設、九・五%でございました。また、調査を実施した施設のうち、アスベスト除去の措置が未実施のところが百二十三施設ございました。その後、令和三年度末にも調査を実施をいたしましたけれども、現時点で集計中、公表には至っていない状況でございます。社会福祉施設の全体調査を、取りまとめを行っていただいている厚労省とも調整しながら、最新の調査結果が明らかになり次第、速やかに公表してまいります。
 その上で、分析調査やその後の措置が未実施となっている施設を有する自治体につきましては、個別にヒアリングを行うなど、速やかな対応について指導してまいりたいと考えておりますし、また、御指摘の有資格者の活用でございますけれども、個別に自治体を指導する際には、有識者の活用についても助言するなど、働きかけを行っていきたいというふうに考えております。
 以上でございます。

○堤委員 
随分進んできているということですが、まだ未実施のところが、対策が取られていないところがあるということです。
 アスベスト、これは潜伏期間が長いことから、大人と比較すると子供の平均余命が長いため、結果的に疾病の生涯リスクが高まるとする研究結果があります。子供たちが長時間過ごす学校や福祉施設などでは速やかに除去や囲い込みなど処置が完全に行われますよう要望しておきたいと思います。
 では、質問を終わります。ありがとうございました。